引越の仕事

私は大学2年生の春休みに短期募集の引っ越し・宅配のアルバイトをしていました。たった2か月という短い期間でしたが、とても充実した濃い体験をさせていただいたと感じています。

このアルバイトを始めたきっかけは単純に、体を動かしたい、お金が欲しい、引っ越しに興味があるというものでした。私は身長160cm、体重は50kgもなく周りの社員の方やアルバイトの方に比べて一回りも身体が小さかったです。やはり仕事柄によるものでしょうか、いわゆる体育会系の方ばかりでした。言葉遣いは荒々しく、酷い言葉をぶつけられることもありました。

私の場合はサッカーを8年間経験していたため、そのような点でのストレスはさほど感じませんでした。自分にとって苦しかったことは、力がないという点です。ドラム式の洗濯機は70kg以上、大型のファミリー冷蔵庫であれば100kgを超えることがあります。

持ち上げた瞬間、足が1mmも動かなくなったことは今でも忘れません。初めのうちは毎日筋肉痛になり、朝起き上がれなかったこともあります。筋肉痛に効く貼り薬の使用枚数は100枚を超えます。

しかし、契約満了に近付くにつれて二の腕や前腕は太くなり、小型の冷蔵庫であれば一人でも持ち上げることができるようになりました。お客様のお荷物を破損させたり、社員の方にも迷惑ばかりかけていましたが、最後は積極的に仕事を任せていただけるようになり、初めて一緒の現場に入った運送会社の方からは社員に間違えられたこともあります。

本来、こういったお仕事は自分のような人間には向いていないと思います。身体が小さいだけで荷物に腕が回らない、手が届かない、人よりも力を使わなければならないということがあります。現場に入るとお客様からは不安な顔をされてしまいます。しかし、厳しい環境の中でも自分なりに一生懸命仕事をこなすことによってお客様や社員の方から信頼を勝ち取ることができるのも事実です。2か月という短い時間の中で貴重な体験させていただいたことはこれからの人生の糧になると思います。